現代でも人気のある沢庵漬け。好きな漬物のランキングでは常に上位をキープし、スーパーの販売実績の中でも上位を占めています。
それだけ人気の沢庵漬け。そもそも発案された由来をご存知でしょうか。さまざまな説があって、平安時代に生まれたという説だったり、江戸時代に生まれたという説もあります。
一般的に漬物は平安時代ごろから食べられてきているらしく、沢庵漬けによく似た漬物がその頃から作られてきていたようですね。
その中で、沢庵を発案した人は誰だったのか、もしくは、どのように沢庵は生まれたのか?今回は、沢庵の由来について、さまざまな説をご紹介いたします。
たくあんの由来
諸説がありますが、江戸時代の僧侶が考案したという説が一番有力であるとされています。一方で、平安時代にも沢庵のような食べ物は存在したらしく、そうなると江戸時代に生まれたとされる説が否定されていることになります。
それらさまざまな説をご紹介します。
沢庵宗彭が考案したという説
まずは、江戸時代、臨済宗の僧侶であった沢庵宗彭が考案したという説です。
ある時、住んでいた春雨庵(山形県上山市)に、付近の住民から大根をもらいました。それらを干して漬け込んで保存食にしたことがはじまりであるとされています。
春雨庵には現在、沢庵漬名称発祥の地碑があるそうです。
沢庵宗彭が江戸(東京)に行った際に、徳川家光に沢庵漬けを献上して、家光がたいそう気に入ったことから、「名前がなければ沢庵漬けと呼ぶべし」と言ったと、東海寺には伝えられているとのことです。
他に、沢庵宗彭の墓石が沢庵石に似ていることから名付けられた、という説もあります。
沢庵和尚の説が否定される理由
たくあんのような食べ物、つまり、麹と塩で漬けた大根は、すでに平安時代から食べられたという話があります。そのため臨済宗の沢庵和尚の説が否定されることになりますね。
実際、沢庵和尚の説がどこまで否定されるのか、そもそも平安時代の大根にも食べられたという説もどこまで有力なのか定かではありません。
「たくわえづけ」「じゃくあん」から音が変化した説
次は、発音が変化したという説です。
貯え漬け(たくわえづけ)という呼び名であったものが、だんだん発音が変化し、「たくあん漬け」となった説があります。
同じく、西日本とくに大阪では麹と塩で漬けたものを「じゃくあん」と呼んでいた。そこから、発音が変化し、「たくあん」となったとする説があります。
定心房(じょうしんぼう)が沢庵漬けのはじまり説
四つ目は、定心房がはじまりという説です。
定心房という漬物を、比叡山の慈恵大師良源が平安時代に考案されたとされていますが、この漬物が沢庵漬けの始祖とする説です。干した大根を塩と麹で漬け込んだものだとされています。現在も売られている定心房たくあんは、普通の一般的な沢庵だそうです。
「たくあん」と「たくわん」の違いは?
たくあん、たくわんと呼ばれていますが、これは発音の違いで、意味に違いはないようです。また、沢庵漬けと言うのが元々の呼び方だと思われています。
「たくあん」と「たくわん」の漢字や違いについて、また「なぜ2切れで出すのか?」その理由については、下のページで詳しく説明しています。
まとめ
今回は、沢庵和尚が沢庵漬けを発明した説が正しいのか、沢庵の由来について、さまざまな説をご紹介いたしました。
沢庵漬けは、現代でも非常に人気のある漬物の一つです。その沢庵漬けが果たして、いつごろ考案されて、いつごろ食べられるようになったのか。おそらく江戸時代には、少なくとも一部の人には食べられていたようです。
そんな沢庵ですが、現在はさまざまな沢庵が作成されて、いろんな味で楽しませてもらえます。全国各地の沢庵をそれぞれ味わってみるのも面白いですね。