日本の食文化に大きく関わってきているお漬物。その中でも、上品な味わいが人気である「べったら漬」は広く食べられている漬物の一つです。
べったら漬とは何か?
べったら漬とは、大根の麹漬けの一種です。東京を代表する名産、漬物と言われています。「べったら漬け」とも書きます。
甘酒の麹が表面についていて「べとべと」していることから、「べったら」という名前がついたと言われています。
塩押しした大根を砂糖、米、米麹で漬けます。砂糖の代わりに水飴を使うこともあります。
べったら漬の由来は?
べったら漬は、江戸時代のえびす講で売られていたのが由来となっていると農林水産省のWebサイトにかかれています。
べったら漬け 東京都 | うちの郷土料理:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_8_tokyo.html
元々は大根の浅漬けを購入した漬物をべったり張り付くぞと男性が女性に向けて振り回したのが起源だそうです。
大根の漬け物は各地に存在しますので諸説ありますが、べったら漬が東京で生まれたのはまず間違いないでしょう。
べったら漬けは東京で生まれました
甘みのある大根の漬け物である「べったら漬」。実は東京生まれです。由来については諸説ありますが、江戸で生まれたのは間違いありません。
べったら漬の美味しさの秘密は甘みにあります。同じ大根の漬物である沢庵と比べると、漬け床がぬかと米麹で異なります。それ以外にも、米麹を甘酒として発酵させてから漬け床に使います。
あの甘味の決め手は、甘酒にした米麹にもあるのです。また江戸時代には、米麹のほかに飴を漬け床に加えたと言われています。
べったら漬は何日もつのか?
べったら漬は、漬け終わったら冷蔵保存で約1ヶ月もつとされています。米麹のつけ床などに浸かった状態で密閉容器に入れたものならそれくらい持ちます。
冷蔵なら1ヶ月ほど持ちますが、冷凍保存はダメです。べったら漬以外にも、一般的に漬物は冷凍保存に向いていません。
浅漬けは特にそうです。水分が多い漬物は、冷凍保存を避けたほうがいいでしょう。
べったら漬は冷蔵庫で冷やしましょう
べったら漬は、常温で置いておくとそのまま発酵が進んでしまいます。そのため、冷蔵庫で冷蔵保存するのが一番良いでしょう。
なぜべったら漬は甘いのか?
べったら漬は「甘酒」にした米麹に漬けます。甘酒の米麹に漬けると、やわらかい甘みで仕上がります。そのため甘いのです。
甘酒は飲む点滴とも言われていますが、甘酒の甘さの元は「ぶどう糖」です。ぶどう糖は消化が早いため体にやさしい飲み物であることが特徴です。
食べ過ぎると塩分の過剰摂取に注意
べったら漬は、生の大根よりも水分がなく繊維質が多くなります。したがいまして、食物繊維が多く取れるという反面、下漬けの時に塩をたくさん使うので、塩分が高い漬け物となっています。
甘いからと言ってパクパク食べてしまうと、塩分の過剰摂取の元になります。高血圧の方は注意が必要です。
べったら漬は沢庵に似ている
べったら漬は沢庵とよく比較されます。大根を使うことが同じだからでしょう。ただし、漬け床が異なります。沢庵は「ぬか」を使い、べったら漬は「米麹」を使うからです。
また、大根を干さずに漬け込むことも大きな違いです。干さないので、水分を失わない漬物となっています。
まとめ
べったら漬は江戸時代に生まれた漬物です。江戸時代の町民はすでに自宅で漬物は漬けず、漬物は漬物屋さんに買いに行っていたそうです。
また裕福な家は、農家と年間契約をして必要な分量だけ持ってきてもらっていたと言われています。
そのように、べったら漬に限らず、漬物は日本人の食文化に密接に関わってきているのだと言えると思います。