さまざまな沢庵(たくあん)の種類をご紹介します

おにぎりとたくあん

沢庵は全国各地で食べられている人気漬物の一つです。ですから、沢庵の種類も多く存在します。

沢庵の歴史については諸説ありますが、全国に広まっていったのは事実です。そこからさまざまな沢庵が生まれていきました。

現在では、味や形、製法などで分別しても数十種類の沢庵が存在すると言われています。それらの沢庵の違いとはどういったものがあるのでしょうか。

今回は、そんな沢庵の種類の一部をご紹介します。

全国各地にさまざまな沢庵があります

沢庵は数え切れないくらい各地にはさまざまな沢庵が存在します。ここではそれらの一部をご紹介します。

さまざまな沢庵の種類

沢庵の種類は、大きく2つに分かれます。「本漬沢庵」と「新漬沢庵」です。本漬沢庵は、大根大根を干してから漬ける「本干し沢庵」と干さないで塩で押して水分を出してから漬ける「塩推し沢庵」があります。

ここでは、全国各地のさまざまな沢庵の一部をご紹介します。

いぶりがっこ

秋田の内陸南部地方に伝わる漬物です。いぶし沢庵とも呼ばれています。秋田由来ですが、東北全土で作られていますし、食べられています。筆者も好きな漬物の一つです。

原料はもちろん大根です。生の大根を囲炉裏の天井に吊るし、広葉樹の薪を焚いて燻することで作られた漬物です。燻煙乾燥という独特の乾燥法で昼夜干しだそうです。

「いぶりがっこ」の「がっこ」は、秋田の方言で漬物のことです。ですから、いぶりがっこは秋田の名産なんですね。

独特の色合いと風味があります。

東京沢庵

東京沢庵タイプとも呼ばれていて、現在のたくあん市場の中心です。たくあんが買われている金額の5割がこのタイプ。このタイプがよく出回っていて人気です。

「東京」と言う呼び名がついていますが、北海道から九州まで全国各地で生産されています。以前は干し大根を使っていましたが、現在は、生の大根を押して水分を出して塩漬けするようになりました。

伊勢沢庵

伊勢たくあんは、三重県伊勢地方で作られている沢庵の総称です。伊勢神宮の土産物として付加価値がついているそうです。伝統的な製法によって作られていて、現在も根強い人気があるとのこと。

渥美沢庵

別名干し沢庵とも呼ばれています。冬が温暖で大根には最適な産地である渥美半島で作られています。じっくり熟成させて風味豊かな自然の甘みと香りがする漬物で、昭和30年代には日本一のたくあんとなったことがあります。今では入手困難な漬物の一つです。

紀の川漬

こちらの昔は大人気漬物でしたが、現在は生産量が減少している漬物です。しかし、この紀の川漬を守ろうという動きもあります。以前は北海道や九州まで製造メーカーが広がった漬物です。全国各地でさまざまな特色ある大根で作られています。海外での製品化もあるようです。

阿波たくあん

徳島県の名物である漬物。別名「いなかたくあん」とも呼ばれています。こちらのたくあんは、昭和初期まで生産量日本一のたくあんでした。品種改良によって、沢庵専用の大根を作ったほど。今は生産量が減ってしまって、隠れた名物となっています。

本干し沢庵

九州は宮崎や鹿児島で作られる沢庵です。だんだん作られる農家も減少しています。本干し沢庵が生まれたころは、「つぼ漬」と呼ばれていたようです。今とは製造方法も異なるようですが、近年でも壺で着ける昔ながらの製法に取り組んでいる生産者さんもいるそうです。

三年沢庵

石川県に伝わる三年米ぬかに漬け込んだ沢庵です。他の沢庵に比べると、長年

漬け込んでいるので沢庵自体が細く引き締まっていて、味がかなり染み込んでいます。ぬかの味が独特なので万人受けしない味ですが、好きな人には好きな味。お新香や沢庵好きな人には好まれる味。

たくあんの煮物

たくあんを煮る料理が関西を中心に中部や北陸にも伝わっている。古たくあんを煮込んで味を染み込ませた料理。調理方法や味付けは地方によって異なります。

ご飯のおかずやお酒のおつまみとして広く食べられています。

十文字たくあん

群馬県の十文字地区で栽培された十文字大根を使った沢庵。十文字地区で栽培された大根だけが十文字大根と呼ばれているとのこと。十文字地区で栽培されている沢庵の品種は数種類ある。それらの総称として十文字大根と呼ばれているよう。

十文字地区は沢庵を作るのに適した気候なため古くから作られているそうです。味付けはどちらかと言うと甘め。

千本漬

宮崎県産の干し大根を使った沢庵。千本漬(せんぼんづけ)は、最もスタンダードな味わいです。甘みと辛味の両方が混在している代表的な漬物。独自の製法で伝統の味を守る野崎漬物などが作り続けられています。

沢庵の由来は?

これだけ全国各地に広まった沢庵はどこから生まれたのか?その由来については諸説あります。それらの代表的な説の一つが沢庵和尚が考案したのではないかと言うものです。詳しい内容は下のページに記載しています。他の説も紹介しています。

たくあんがなぜ2切れなのか?

たくあんがなぜ2切れなのか?については、下のページに書きました。他にも、たくあんとたくわんの違いについても調べてあります。

沢庵20種類の食べ比べイベントについて

かつて沢庵が20種類食べ比べが100円でできるというイベントが、東京・大崎で開かれていたようです。

まとめ

今回は、全国各地で食べられている沢庵のさまざまな種類をご紹介いたしました。