ご飯がすすむ! 日本の有名な名産漬物一覧

なすびときゅうりの漬物

炊きたてのご飯に合うものといえば、やはり漬物です。おかずがなくても、漬物があればご飯がいくらでも食べられるという方も多いのではないでしょうか。

漬物は、野菜や果物を塩や米ぬか、酒粕などで漬け込み、保存性を高めた食品です。日本には古くから親しまれており、地域ごとに様々な種類があります。

今回は、全国各地の名産漬物の中で、有名なものを集めてみました。

有名な漬物一覧

日本各地には、それぞれの地域の特産品を使った漬物があります。

北海道

松前漬け

松前漬けは、乾燥させたスルメイカと昆布を細く切り、醤油、酒、みりん、砂糖などに漬け込んだ北海道の郷土漬物です。江戸時代、松前藩で考案されたと言われています。

東北地方

青森県

すしこ

蒸したもち米に赤しそやキャベツ、きゅうりの古漬けを合わせて乳酸発酵させたもの

秋田県

いぶりがっこ

いぶりがっこは、秋田県の伝統的な漬物ですね。大根を使ったこの漬物は、燻製(くんせい)することで独特の風味が生まれ、秋田県の冬の保存食としても親しまれています。

岩手県

金婚漬

金婚漬 (Kinkonzuke) は、岩手県花巻市の名産である漬物です。

白瓜の中に昆布で巻いた人参とごぼうを詰めて、醤油、みりん、砂糖などで漬け込んだものです。白瓜の甘みと昆布の旨味、人参の歯ごたえが特徴です。

金婚漬は、そのまま食べたり、お茶漬けやおにぎりに入れたりして食べられます。また、酒のつまみにもよく合います。

山形県

おみ漬け

おみ漬けは、山形県特産の青菜を細かく刻み、他の野菜とともに漬けた漬物の一種です。山形県内陸部の郷土料理です。おみ漬けの起源は江戸時代にさかのぼり、当時は「近江漬」と呼ばれていました。近江国(現在の滋賀県)の商人が、山形に青菜を使った漬物を持ち込んだのが始まりとされています。

関東地方

東京都

べったら漬け

べったら漬けは、東京の伝統的な漬物で、特にお正月によく食べられます。

大根を主材料とし、塩漬け後に砂糖や米麹(こうじ)で甘く漬け込むことが特徴です。その名前は、大根を薄くスライスした形が「べったり」と広がっていることから来ています。

栃木県

たまり漬け

たまり漬けは、味噌を作るときにできる上澄み液である「たまり」に野菜を漬けた漬物です。

たまり漬けの製法は複雑で、原材料の種類や状態に応じて複数の調味液が用意され、異なる調味液による多数回にわたる漬け替えが行われます。

茨城県

ごさい漬け

ごさい漬けはサンマの塩漬けを大根や唐辛子、柚子などと一緒に漬け込んだ茨城県の郷土漬物です。鹿島灘で獲れたサンマを使い、冬になると各家庭で作られます。

その名の由来は、鉾田の文化第35号に記載があり、ごさい漬けに向く脂肪分の少ない小型のいわしを「こさい」と呼び、それが「ごさい」に変化したとあります。他にも、「後妻が漬けるから「後妻漬け」、「五つの食材(五彩)を使っているから「五彩漬け」と諸説あります。

中部地方

長野県

野沢菜漬け

野沢菜漬けは、長野県の名産漬物です。野沢温泉村で栽培された野沢菜を塩漬けし、乳酸発酵させたものです。

野沢菜はアブラナ科の野菜で、茎と葉を食用にします。野沢温泉村は昼夜の寒暖差が大きく、ミネラル豊富な水に恵まれた土地柄で、野沢菜栽培に適しています。

新潟県

はりはり漬け

はりはり漬けは干した大根を昆布や鷹の爪と一緒に漬け込んだ漬物です。主に新潟県と長野県の上越地方で作られています。

山梨県

小梅漬け

小梅漬けは、甲州小梅の梅の実がまだ青いうちに収穫して漬け込んだ漬物です。主に山梨県で生産されています。カリカリとした歯ごたえと、甘酸っぱい味わいが特徴です。

静岡県

わさび漬け

わさび漬けは、わさびの葉や茎、根を酒粕に漬け込んだ漬物です。静岡県の特産品で、静岡土産としても人気があります。わさびの辛味と酒粕の甘味と旨味が特徴です。ご飯のお供や酒のつまみにおすすめです。

近畿地方

京都府

千枚漬け

千枚漬けは、聖護院かぶを薄くスライスして塩漬けし、米ぬか、昆布、砂糖、みりんなどで漬け込んだ漬物です。

すぐき漬け

千枚漬けは、日本の京都の伝統的な漬物で、すぐき漬けや柴漬と共に京都三大漬物とされています。

本来は薄切りにした蕪(かぶ)を乳酸発酵させた黄白色の漬物ですが、現代では薄切りにしたカブを酢漬けにした漬物を指すことが多いです

滋賀県

ふなずし

塩漬けしたフナと米を漬け込み、長期間発酵させることで独特の酸味と風味が生まれる伝統的な漬物です。

奈良県

奈良漬け

瓜、きゅうり、しょうがなどの野菜を塩漬けした後、酒粕に漬け込むことで、まろやかで深い味わいが特徴です。

和歌山県

梅干し

天日干しした梅をしそと一緒に漬け込むことで、酸っぱい味わいが楽しめます。

中国地方

広島県

広島菜漬け

広島菜を使った漬物で、シャキシャキした食感が特徴です。

鳥取県

スルメの麹漬け

スルメイカと調味料を麹に漬け込むことで、深い旨味と独特の風味が楽しめます。

四国地方

愛媛県

緋のかぶ漬け

愛媛特有の赤いかぶを塩漬けし、ダイダイ酢に漬けたもの。

九州地方

福岡県

高菜漬け

高菜の葉や茎を漬けたもので、ピリッとした辛味が好まれます。

熊本県

寒漬け

冬の冷たい風に大根を2回ほどさらして作った漬物

鹿児島県

壺漬け

壺漬け干した大根を杵でついて、繊維をほぐして壺で漬けたもの

まとめ

今回は、全国各地の名産漬物の中で、有名なものを集めてみました。

日本各地の漬物は、その地域独自の気候や食文化が反映されていて、本当に多種多様ですよね。

たとえば、京都のしば漬け、奈良の奈良漬け、秋田のいぶりがっこなど、それぞれの地域が誇る特色ある漬物があります。これらは、その地域特有の食材や調味料、伝統的な製法によって作られ、独特の風味を楽しめます。

土地の歴史や文化を感じられるだけでなく、普段の食卓に新しい風を吹き込むことができます。

キュウリや白菜はもちろん、大根やナス、さらには果物を使った漬物もあります。